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あんなぷるな道中膝栗毛

8. ヒマラヤのいで湯(ジヌー) <目次に戻る

 12月30日、賑やかだった宿、学校を後にして、私達は
出発した。
昨夜は、中野氏の話を色々と聞かせて貰った。
彼はアンナプルナ内院(今回のコース)のトレッキングが今回で
5度目というベテランであった。
ネパール語も堪能で、日常会話は何不自由がない。 
歩き出してすぐ分かったのだが、すぐに田んぼの畦道の様な所に
入り、どんどん下って行く。
地元100%と言う道で、ガイドブックでは説明しにくい
コースなのだ。 
しかしスーパーガイドがついているので、とても心強いのである。

 途中収穫の終わった棚田の畦道を、兎に角下る。
 2時間半程下ったろうか?

 とうとう2000mの尾根からモディコーラの川迄下って来た。
あとは本流にそそぐ沢を渡り、対岸の岬の様に張り出した尾根を
少し登ると、ジヌーである。
7〜8軒も宿があるだろうか、温泉はこの尾根の裏側を、
15分程下った川沿いに、湧出している様だ。
ゲストハウスに荷を預け、早速温泉へ下って行った。
途中体を銀色に被われた猿が、沢山出迎えてくれる。
川迄下ると、コンクリートと石で出来た露天風呂があった。
少しぬるめのお湯である。

 ネパールでは

 「温泉は水着、無い場合は下着着用である」

と、中野氏が教えてくれる。
話しを聞かない山本は、チャッカリ、フルチンで入っていた。

 「ダメダメ!」

と窘めると、シブシブ、パンツを履いていた。
その後どんどん客が増えて(若い女性も)パンツを履いていて
良かったのだ。
白人達は陽気で、ビールやガンジャを回してよこす。
氷河が源流のこの川は相当冷たいのだが、白人と山本は、川に
飛び込んで遊んでいた。

 我々は頃合いを、見計らい少し離れたところにある洗い場で
洗濯をさせて貰った。
随分と、洗濯物も溜まっていたのだ。
お風呂もネパールへ来てから初めてなのだ。
川沿いに湯舟があるだけの温泉なのだが本当にありがたかった。
日本人の私は、シャワーでは身体を洗う事は出来るが、
疲れは取れない!という事を実感した。

 対岸では相変わらず、例の銀色の猿が遊んでいる。

 もう10年も前になると思うが、友人と北アルプスを一週間程
縦走した事がある。
途中風呂に入りたくなり、黒部川の源頭にある高天ヶ原温泉
という所に下ったっ事がある。
どこから行っても数日かかる為、テレビ等には、まず出た事の
無い温泉だと思う。
その高天ヶ原温泉というのが、このジヌー温泉に良く似た所だった。
湯舟に浸かり乍ら、ふとそんな事を思ったりした。
温泉は大盛況となり、ヨーロッパ、北米、インド、中近東、
ネパール、日本人と、国際的な混浴であった。

 宿への登りで一汗かくのだが、それでも本当にスッキリした。
取りあえず、ビールで乾盃!
風呂上がりのビールは特別美味い。
荷物を預けた宿は、後から来た白人で満室だと言うが、
他の宿を紹介してくれると言う。

 まだ昼だが、この温泉に泊まることにした。
紹介してくれた宿も、眺めが良く沢を挟んで棚田がとても
美しい。
夕食はつまみや、酒を随分飲んだので、最後に、雑炊を
作る事にした。
昼間温泉で、山本が川に飛び込んだ折に、木くらげを
見つけていて、少しではあるが、
収穫していたのだ。
何処でも生きていける男である。
宿の子供や同宿の白人は私の焜炉が珍しいのか作るのを、
ずっと見ていた。
山本氏のおかげで、美味しい雑炊を、皆でいただいた。

 今日は本当に、旅の疲れを癒した一日であった。

 温泉に感謝!


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