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あんなぷるな道中膝栗毛

14. ラリーグラスの道 <目次に戻る

 タダパニからゴレパニへの道は、昨日登ったこの峠を、
反対側へ一気に下る所から始まる。
一気に谷底へ下ると、チョロムコーラと言う小川を渡り、
又一気に登る、
この後も谷へ下ったり尾根を登ったりと、今回の旅の中で、
一番起伏の激しいコースだった。

 途中、尾根筋に出るとお茶を飲み、広河原へ下るとお茶を飲む、
丁度良い所に茶屋が現れるのでアリガタイ。
今日も韓国のグループに良く出会う。
広河原から又一気に登り、大分高度を上げた頃、稜線に出た。
標高も3000mを大分越えている筈である。

 丁度お昼なので、昼食にする事にした。
 涼風の中でポップコーンやビールが美味しい。

 一休みした後は、この稜線を尾根伝いにゆっくりと下って行く
のだが、展望もきいてとても気持ちが良い。
右にアンナプルナ、奥にはダウラギリの勇姿が望まれる。
 8000mを越える山は、よく“ジャイアンツ”と敬称されるが、
両方にジャイアンツを望み乍らのこのコースは、流石に贅沢な
気分である。

 日本の山旅では、縦走があたり前なのだが、ヒマラヤの稜線は
殆どが、“神々の領域”鋭く険しい峰々は、一部のエキスパート
しか、行けない場所なのである。
頂上へ登りそこから縦走したり、スキーで滑ったり出来る日本
の山は、とても贅沢なのだ。
そんな訳で、今回谷底ばかり歩いて来た私にとって、この縦走は
ありがたいプレゼントだった。

 ネパールの国花“ラリーグラス”は石楠花の一種と聞くが、
10m以上の大木となり、この稜線を被っている。
残念乍ら紅い花は咲いていないが、春先の時期には、
きっと紅い花が稜線に咲き乱れて、とても美しい景色を見せてくれる
であろう。

 そんな事を思い乍ら、展望のきく稜線をルンルン気分で、
ゴレパニへと向かった。
幾度かのアップダウンを繰り返した後、突然視界が開け、学校の
グランドに飛び出してしまった。
グランドの奥には家が沢山立ち並び、ここがゴレパニだった。

 このゆったりとした峠は、古くからネパールとムスタン王国や
チベットを結ぶ交易路として、又聖地ムクチナートへの道として、
昔乍らの街道と言う感じである。
広々とした稜線の平は、両側に店が立ち並び、峠の宿場町と言った
風情である。
ロバ隊が良く通る石畳や階段は、長い年月の為か、角がとれて歴史
を感じさせてくれる。

 私達は今夜の宿を探して、街道から上のゲストハウスを探した。
我々のお世話になった宿は、ドラム缶を改造して作った
薪ストーブを、ガンガン焚いていてくれた。
建物の中央にあるそのストーブの煙突が、食堂の天井を突き抜け、
2階はたまた3Fの展望ルームも突き抜けている。
その為、廊下も部屋も、とても暖かった。

3000mに近いゴレパニは、かなり冷え込むので、この接待は
とてもありがたかった。

 夕刻、食堂の窓から見えるダウラギリの勇姿を眺め乍ら、
美味しいピザとビールを頂くと、山本氏も疲れたのか、すぐに寝て
しまった。
昨日今日と、やっと人並のコースを歩いたので疲れたのだ。
私も美味しいロキシを一杯頂いて、早々に床についた。

 今夜はぐっすり眠れそうである。


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